防災・減災への指針 一人一話

2015年03月26日
減災コラム④広報多賀城平成27年4月号
東北大学災害科学国際研究所 准教授
柴山 明寛さん

地震による建物被害について

東日本大震災では,津波によって多くの建物が被災しましたが、地震の揺れによる建物被害はそれほど多くはありませんでした。この要因としては、地震によって地盤が揺れるのがゆっくりであったためです。
1995年の阪神淡路大震災では、木造建物に甚大な被害を与える揺れ(やや短周期の地震動)があり、木造建物との共振現象が起こり、数多くの建物が倒壊しました。東日本大震災では、それよりゆっくりした揺れで影響が少なかったのです。  しかし、「マグニチュード9の地震に家は耐えたのだから、次に地震が起きても大丈夫」という考えは持たないことです。
今回は、奇跡的に建物に影響を与えなかっただけです。今後起こるかもしれない長町-利府線断層帯の地震では、阪神淡路大震災と同じ直下型地震で、甚大な被害となる可能性があります。
また、繰り返し来る地震の影響で、建物は少しずつではありますが疲労が蓄積されていきます。
次の地震に耐えるためにも早めの耐震診断が重要です。